2011年01月28日

林田健司ニューアルバム「GOLD」感想

どうも、1ヶ月ぶりの更新です。前回いろいろ書きましたが、
まぁ・・・あれこれ言ってもしょうがないという事で自己完結しました。
遅くなりましたがGOLDの感想です。

GOLD / 林田健司, 杏子 (CD - 2010)
林田健司「GOLD」
1.政治家Badge
2.広がりだすんだ 僕らの未来は
3.Dream Rider
4.光のむこうがわ
5.Let’s Go 夏色の世界 feat.杏子
6.Viper
7.KAZ∞KU
8.夢のそのさき

「発展途上中の林田健司。
 奴の?今?まさに?最強なる?このアルバム。
 次回作を乞うご期待!」

これは林田がラジオで「GOLDに自身でキャッチコピーを付けてください」と
お願いされて言った内容。さすが林田、全くGOLDの販促になっていない!
では長くなるんで折ります。
1.政治家Badge
熱いロック曲で横関敦のギターがカッコいい。2曲目がTVタックルのEDなのでこちらはそのOPといえるかもしれない。サウンド自体はカッコいいのだが周りのサウンドに声が埋もれて聴こえる点(MIXの問題かこちらの音響環境の問題)と微妙な歌詞が気になる。タイトルから政治批判の内容を示唆しているので「林田の新境地か!?」と期待していたが「政治家さん頼みますよ〜」という程度の内容だったのでがっかり。サウンドは尖っているだけに歌詞ももっと尖ったものにしてもよかった。海外のアーティストは恋愛とか友情とかと同等に曲のテーマの一つとして「政治」というものが確立されているが、日本では全く浸透していない(フォーク全盛期にはあったが殆ど発売・放送禁止で壊滅状態)ので、林田がそのジャンルを復古してくれるのかと期待したが・・・流石に林田には荷が重かったようだ。この曲を本当に名実共にロックにするには、国民が抱える政治に対するフラストレーションを吹き飛ばすくらいの、もっとストレートな政治批判を盛り込んだ内容じゃないと価値が見出せない。今の混迷した時代に「当たり障りのない政治批判ごっこの音楽」では聞き手に訴える力は皆無だろう。

2.:広がりだすんだ 僕らの未来は
タイトルどおりに広がりを感じさせるバラード。TVではサビだけしか聴けないのでパッとしない印象だが、曲全体を聴くとなかなかいい印象。とはいえ個人的に望む林田の音楽性のクオリティからすると物足りなさを感じる。生ストリングスが入っている点は評価するが費用対効果的にそこまでする価値のある曲かは疑問。林田がラジオ出演時に曲紹介を自分でした際、「政治家Badgeを押したいけど事務所の方針で・・・」と言って「広がり〜」を紹介していたが、相変わらず事務所に対して反旗を翻すような販促(と言えるのかは不明)になっていた。むしろ林田販促自体が「政治家Badge」よりもロックだと思う。ところでカラオケDAMでこの曲だけ配信するらしいが・・・他の方が歌いやすかったり盛り上がると思うが、何故この曲だけなのかが疑問。TVの露出が多かったせいだろうか。

3.:Dream Rider
ポジティブで爽やかでDEPAPEPEのアコギとギタータップが小気味いい。晴れた休日のドライブで聴きたくなるような曲。気になるのは歌詞の中で「〜夢をみれるのだよ」というフレーズがあるが、全体の歌詞からすると硬い表現で違和感を覚える。何故「〜みれるのさ」とか「〜みれるんだよ」とかにしなかったのか。その後のサビが「ぶれないで〜」と言っているだけに「歌詞がぶれてんじゃねーか」と突っ込まざるを得ない。その違和感さえなければモヤモヤした印象を持たずにすっきり聴く事が出来ると思う。

4.:光のむこうがわ
曲全体の雰囲気がどことなく90年代初頭の匂いを感じる曲。二時間ドラマのEDに流れていそう。しかし最後の「来世でも〜」という部分はもっと別の表現がなかったんだろうか。「来世」という一つのフレーズで、相手が死んだ事と主人公の中での結論を表現できるので悪くはないが、聞き手からすると心情として飛躍してしまい感情移入しにくい(全く分からないわけではないが)。曲を通して言いたい事は「生き抜く事が唯一の救い」という事なんだろうが、むしろそれをストレートに歌詞にすれば良かったと思う。そうすれば「来世」という表現を使わずに死を表現できるだろう。というかそれ以前に「来世」のフレーズがなくても曲として成立する気がする。アルバム全体の中で地味な印象ではあるが、なかなかの良曲なので、ラジオでよくプッシュされているキャッチーな曲よりもこちらの方が聞き手に訴えかけるものがあると思う。

5.:Let’s Go 夏色の世界 feat.杏子
アッパーなデュエット曲。林田の声と杏子のハスキーボイスが両者の声質のベクトルが違うせいか、ハーモニーそのものは合っている。ただ杏子の歌い方が曲調に対してねっとりしすぎているので交互にフレーズを歌いあう形式の曲では完全に水と油になっている印象。冬の時期のアルバムに何で夏?という疑問もあるが、わざわざ「夏色の世界」に行くという表現にしているので「どこかにバカンスに行く」という設定だと推察。日本が冬なら反対の季節の国、例えばオーストラリアはこの時期は夏なのでそういう場所に行こう!という意味だと思うが、はっきり言って「分かりにくい」。ラジオでもかなりプッシュされている曲だが、メディアに対する売り方(杏子とのデュエットという話題性)としては間違ってはないが、このアルバムの世界観(またはクオリティ)を代表するほどの曲かと問われると否定せざるを得ないし、季節感の差異からもこの時期にプッシュするには微妙すぎる。

6.:Viper
ミドルテンポで生ブラスが光るゴリゴリのロック。アウトローな世界観がカッコいい。モーションブルーで聞いた時よりもブラスが加わったせいかよりきらびやかで妖しい雰囲気がある。気心知れたメンバーで作ったせいか互いの良さをバランスよく引き出し合っている。曲は「スペースコブラ」をイメージして作ったそうで、コブラと名づけようとしていたらしいが、コブラ(車種)の後継のヴァイパーが林田の好きな車種だった事からViperに決めたとの事。とにかくカッコいいので聴いてほしい一曲。

7.:KAZ∞KU
アップテンポで爽やかさ、家族の暖かさを感じる曲。TV番組の為の書き下ろしという「企画モノの仕事」としては合格点だが、アレンジがViperの後だと物凄く安っぽく聴こえるので、もう少しアレンジを何とかするか曲順を変えるとか出来なかったんだろうか。Viperほどの楽曲を生み出せるほど高い音楽性のある林田の技量を考えるとやはり物足りなさを感じてしまう。曲の途中でアカペラにして色んな人(番組の出演者とか林田のスタッフとか)に歌声を入れてもらって家族や仲間のつながりを感じさせるようなコーラスアレンジをすればViperの豪華なアレンジと比較した時にアレンジが差別化できる(ごまかせる)ので「やっつけ的な安っぽさ」を感じさせずに済むのではないかと思う。

8.:夢のそのさき
いわゆるラブバラード。Viperと同じメンバー構成でクオリティが素晴らしい。「GOLD」の価値を決定付けるほどの完成度の曲だと思う。サビの出だしが初期のアルバム曲「夢を見ればいい」に似ているが、もし「夢」という共通点でリンクさせていたのだとしたら、なかなか面白い隠し味を入れている事になるが、それならもっとアピールして言うべきじゃないんだろうか。強いて微妙だと思う点は歌詞単体を見ると秀逸と言えるほどのレベルではないのと、ラストでずっと「Want you baby〜」と林田のアドリブがあまりにも長い(フェードアウトせずにラストまで続く)点。とはいえ林田はバラードにこそ真価があるのでとにかく聴いてほしい。


以前ラジオ出演で林田が自身を「ボーカリストじゃない」と(謙遜なのかどうか分からないですが)
言っていたのを思い出しましたが、ここまでの歌の表現が出来る人間がそんな事を言ったら
もはや慇懃無礼でしかないと思います。じゃあ世の中に無数にいる自称ボーカリストは
一体何なんだという話になります。去年放送していた生放送の音楽特番なんて日本の音楽レベルの低さが
露呈していて、それこそ「まな板の上にも乗らないレベル」ばっかりでうんざりでしたからねぇ。
少なくともまな板の上に乗れる人間はボーカリストだとはっきりと公言すべきです。
まな板に乗れない人たちに失礼です。

「GOLD」の感想を一言で表すと、
「やっぱりやればできんじゃねーか!何でWORKSはあの体たらくだったんだ!」
ってとこでしょうか。それぐらい「WORKS」が期待はずれだったんでねぇ・・・
そういう意味で「GOLD」はその不満感を多少払拭してくれる出来だったと思いますが、
やっぱり8曲というのがどうしても物足りなさを感じる曲数です。
そもそも当初は「2枚組みで出す」と言っていたのもありましたからねぇ。

また「FLASHING」の時も感じたんですが「アルバム全体で何を訴えるのか」という聞かせ方ではなく
「林田健司はこんな曲も作れるんですよ」という、作曲家としてのデモンストレーションのような
アルバムだったので、林田健司の音楽性を鋭く追及したダイレクトなものが受け取れず
むずがゆい思いをしましたが、今回も残念ながらそういった印象でした。
こういう完成度のアルバムを作るくらいなら2枚組みの構成を「WORKS」のような「仕事で作った曲集」と
林田自身の「音楽性を追求した曲集」として出した方がアルバムとしての完成度も上がりますし
聴く方もニーズの住み分けができるのでいいんじゃないかと思います。
・・・まぁどっちにしても買うと思いますが。

今後は2枚組みのもう一枚にあたる「Platinum」というアルバムを出すらしいので
林田自作のキャッチコピーどおりに期待する事にします。
posted by ドミナント at 00:46| Comment(4) | 林田健司 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
二度目の書き込みをさせていただきます。

林田健司という方は、やっぱり日本語力が足りないなぁと私も思います。

こんなに上手に専門的には書けていませんが、良かったら私の感想も読んでみてください。

Posted by candlevoice at 2011年02月08日 00:23
読んで頂いてありがとうございます。
後ほどブログの記事を読ませて頂きます。
Posted by ドミナント@管理人 at 2011年02月09日 20:49
細かく書いてらっしゃいますね〜
曲をコンスタントに出ているアーティストの方なら、あまり気にしないのかもしれませんが、林田さんはなかなか出してくれませんからね・・・
期待しすぎて、物足りなくなってしまうのかもしれませんが。

「光のむこうがわ」に関しては、亡くなった奥様への曲なのかな?と思ってました。
だから「来世でも〜」というメッセージなのかと思いました。
Posted by 那耶@通りすがり at 2011年08月24日 23:36
こんばんは、お久しぶりです。
ドミナントさん、少々用事がありますので生存しているのであれば連絡ください!
宜しくお願いしますッ!
Posted by ゾルダストーム at 2012年10月11日 19:59
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